25年、四半世紀です。
なんかもう、
歴史の教科書的な話になってきました(笑)。
二見一幸先生が主宰する
「ダンスカンパニー・カレイドスコープ」が
先週末、25周年記念公演を行いました。
このコロナ下ということで、
上演時間はいつもより短めでしたが、
出演者・内容ともにお腹いっぱいの舞台でした。
「Les Noces」はガンガン踊る若手主体の作品。
ダンサーたちの実力はいつもの通りですが、
普段は淡々と踊っている印象なのに、
使用された歌曲(勉強不足でスミマセン!)の
ボーカルのテンションに
捩り上げられるかのように、
何かが憑依したような表情にまで
昇り詰めていく、その熱量に圧倒されました。
ダンサーたちにもきっと、
いつもとは違う景色が
見えたのではないでしょうか。
「Music for Ensemble」は大人の作品。
カラフルなんだけど色調を抑えた衣裳、
コミカル過ぎず、ダンサーみんなが
「踊り」そのものを楽しんでいる姿、
メロディやリズム、
そして動きに身を任せる幸福を
感じさせてくれました。
「浄められた夜」はベテランというか、
既に一人一人がダンサーとして確立された、
贅沢なキャスティングの一本。
そのたくさんの強烈な個が集まって
繰り広げられる世界は、
派手ではないうえ、互いを尊重し合い、
決してぶつかり合うこともない。
なんだか珠玉の映画を観ているような、
落ち着いて濃密な、心の鎮まる時間でした。
最後の「Danzon」は
現在の中核を担うメンバー、
まさに今のカンパニーの姿と言ってもいいのでしょうか。
いえ、カレイドスコープ(万華鏡)の名の通り、
今回上演された4本それぞれが、
カンパニーを彩る様々な顔なのだと思います。
男性の出演者が多かったせいか、
男女のコンタクトもそれぞれの組で楽しめたし、
先生が時々仕掛けてくる道具や装置、
(今回は「赤い棒」でしたが)も
効果的に使われていて、
思わず唸ってしまいました。
二見先生ご自身の出演シーンも、
いつもより多かったように思えるし、
二見ファンも納得の記念公演だったと思います。
舞台を観ながら、
なぜか「舞踊」という言葉が浮かんできました。
ダンスを観に行っているんだから
当然かもしれませんが、
なんだか舞踊の「本質」というか、
「芯」に近いものを感じられました。
ダンサーたちの物理的な身体の躍動に、
観ているこちらもココロオドラサレました。